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【美術解説】ルネサンス「ローマ時代・古代ギリシア哲学の再発見」

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ルネサンス / Renaissance

ローマ時代・古代ギリシア哲学の再発見


ラファエロ《アテナイの学堂》,1509-1511
ラファエロ《アテナイの学堂》,1509-1511

概要


ルネサンスは、日本の教科書や一般的なメディアでは簡単に「古典古代(ギリシア、ローマ)の文化を復興しようとする文化運動」と説明されている。

 

しかし、本来ルネサンスという言葉はもっと複雑であり、いまだ専門家たちでもさまざまな意見・解釈がなされている。文化運動を指す場合と時代区分を指す場合でしばしば混乱が生じる。

 

最も共通的に受け入れられている見解としては、ルネサンスとは中世から近代への移行の印」であり、「15世紀と16世紀を覆うヨーロッパの歴史的期間」といえる。ルネサンスは中世後期のヨーロッパ世界の危機の後に発生した根本的な社会変化と関連した歴史的遷移期間といえる。

 

なお、標準的に時代区分(15世紀と16世紀)に加え、長期ルネサンス支持者の間には、その始まりを14世紀、終わりを17世紀と主張するものもいる。ルネサンスが近代の始まりなのか、それとも中世の範囲になるのか、という点についても論議が続いている。

 

伝統的な見解ではルネサンスの近代的な側面に焦点を当て、ルネサンスは過去からの脱却であると主張するが、今日では多くの歴史化たちがルネサンスの中世的な側面に焦点を当て、ルネサンスは中世の延長線上にあったと主張している。

 

また、ルネサンスの知的基盤となったのは、ローマ時代の人間性(ヒューマニタス)の概念や、「人間は万物の尺度である」というプロタゴラスの言葉に代表される古典ギリシア哲学の再発見を由来とする「ヒューマニズム」版であることも重要な要素である。

 

この新しい考え方は、芸術、建築、政治、科学、文学などあらゆる分野で見られるようになった。ルネサンス初期の例としては、油絵における遠近法の発明やコンクリートの精製方法の再発見だった。活版印刷の発明は15世紀後半からの思想の普及に拍車をかけたが、ルネサンスの変化はヨーロッパ全土で一様とはいえなかった。

 

ルネサンスの最初の痕跡は13世紀後半にイタリアに現れ、14世紀にイタリアのフィレンツェで始まった。その起源や特徴を説明するために、当時のフィレンツェの社会的・市民的特殊性など様々な要因に焦点を当てて複合的に考える必要がある。

 

ダンテの著作やジョットの絵画に文化運動としてルネサンスが兆候が見られる。古典的な情報源に基づく学習の復活が14世紀頃からペトラルカと同時代に名高い芸術家たちとともに始まり、ラテン語と土着文学の革新的な開花をもたらした

 

ルネサンスは、多くの知的活動や社会的・政治的な激動の中で革命を起こしたが、なかでも芸術的発展に特に貢献し、レオナルド・ダ・ヴィンチミケランジェロのような多方面で活躍した人物もあらわれ、そのような人物に対しては「ルネサンス・マン」という言葉が与えられた。

 

他方、ルネサンスは、政治においては外交の習慣や慣習の発展をもたらし、科学においては観察と帰納的推論の発展に貢献した。

 

 

ルネサンスの中心地はフィレンツェだった。その政治構造、支配的な一族であるメディチ家の後援コンスタンティノープル陥落後のイタリアへのギリシア人学者や知識の移転など、当時のフィレンツェの社会的・市民的な特殊性を説明するために、これまで様々な説が提唱されてきた。

 

ほかの主要な中心地は、ヴェネツィア、ジェノバ、ミラノ、ボローニャ、そしてルネサンス期の世俗主義的なローマ教皇時代の統治下にあったローマのような北イタリアの都市国家であった。

 

リナシータ(再生)という言葉は、ジョルジョ・ヴァザーリの『芸術家たちの生活』(1550年頃)で初めて登場し、1830年代には「ルネサンス」と呼ばれるようになった。この言葉は他の歴史的・文化的運動、例えば、カロリング朝ルネサンス(8世紀と9世紀)、オットー朝ルネサンス(10世紀と11世紀)、12世紀のルネサンスなどにも使われている。


■参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/Renaissance、2020年7月17日アクセス



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