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【作品解説】バンクシー「SHOW ME THE MONET」

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SHOW ME THE MONET

モネの牧歌的な風景を不法廃棄スポットに書き換え


『SHOW ME THE MONET』,2005年
『SHOW ME THE MONET』,2005年

概要


『SHOW ME THE MONET』は、2005年にバンクシーによって制作された油彩作品。バンクシーの挑発的作品の代表作として評価されており、現代における社会批評家としてのバンクシーの地位を確固たるものにした

 

また、バンクシー作品の中でも極めて希少な完全に手描きの作品である。

 

本作品でバンクシーは、西欧のイコン的な美術作品であるクロード・モネの日本風の橋を画面の中心に描いた『睡蓮の池』(1899年)を独自に再構成している。

 

「モネ」と「マネー」のダジャレによる皮肉が込められたタイトルの本作は、環境問題や現代の資本主義的の先鋭的な問題などが織り込まれており、鑑賞者に複雑な対話をもたらす。

 

印象派の傑作であるクロード・モネのロマンチックな世界観を破壊するように、池の中にオレンジ色の交通コーンやショッピングカートが描かれており、牧歌的な自然風景を現代の不法投棄場に書き換えている。

 

ダジャレの使用や巨匠絵画の引用や破壊という行為は、マルセル・デュシャンから影響を受けていると思われる。特にデュシャン作品の中でも悪名高いレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ』を引用した1919年の作品『LHOOQ』を参照にしている。

 

本作品は2005年にロンドンで開催されたバンクシーの展覧会「Crude Oils:gallery of re-mixed masterpieces, vandalism and vermin」で展示されたあと、スティーブ・ラザリデスがバンクシーから直接購入した。2020年10月22日にロンドンで開催されたサザビーズのオークションに出品された。

「Crude Oils:gallery of re-mixed masterpieces, vandalism and vermin」の展示風景。背後に一瞬、本作品が映る。

クロード・モネ『睡蓮の池』,1899年
クロード・モネ『睡蓮の池』,1899年



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