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【作品解説】奈良美智「Hot House Doll,In the White Room III」

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Hot House Doll,In the White Room III

初期奈良作品では希少な青いドレスの少女


奈良美智《Hot House Doll,In the White Room III》,1995年
奈良美智《Hot House Doll,In the White Room III》,1995年

香港フィリップス・オークションが奈良美智の初期の希少作品《Hot House Doll,In the White Room III》を11月29日に開催されるオークションに出品する予定。

 

2019年10月のサザビーズで記録的な2500万ドルの落札があった奈良美智の作品は、パンデミック以後もコレクターを魅了し続けている。奈良の作品は過去4年間一貫してプラットフォーム上での需要を高めており、Artsyで彼の作品への問い合わせ数は、2018年から2019年の間に63%急増している。

 

今回出品される《Hot House Doll,In the White Room III》と題された1995年の作品は、奈良がドイツに滞在していたころに制作した初期作品で、奈良の特徴的な子どもを主題としている。

 

この年、奈良はラム・アンド・ポーギャラリーで初個展を開催し、また、東京のSCAIザ・バスハウスでも個展を開催して、国際的な注目を集めはじめた。また、最初の作品集もこの年に出版している。

 

フィリップス香港の20世紀現代美術部門の責任者であるイザウレ・ド・ヴィエル・カステルは、「この作品には、不機嫌でいたずら好きな少女の全身像と、作家の特徴である大きく開いたアーモンド型の目が描かれており、幼少期の無邪気さの中にある暗い面への奈良の執着が強調されている」と話している。

 

また、「今回の作品に描かれている青いベビードールのドレスは、1990年代に散発的に描かれたモチーフであり、彼の作品の中では珍しいものです」と話している。2011年に出版された『奈良美智 全作品集1984-2010』にも掲載されている。

 

この作品は過去12年間、個人のコレクションとして保管されていたもので、フィリップスによれば、500万ドルから2500万ドル(5億〜25億)の間で落札を予想している。この見積もり価格で落札されれば、オークションでの奈良絵画の高額作品のトップ5に入る。

 

この作品は、中国に拠点を置くポリ・オークション・ハウスと共同で開催されるフィリップス香港コンテンポラリー・イブニング・セールの最上位ロットとされている。詳細はフィリップスのページへ。

『奈良美智 全作品集1984-2010』より
『奈良美智 全作品集1984-2010』より
写真は2019年12月に開催されたサザビーズ・オークションの様子。2500万ドルで落札された。
写真は2019年12月に開催されたサザビーズ・オークションの様子。2500万ドルで落札された。



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