エロティック・アート / Erotic art
性的興奮を呼び起こすことを目的とした視覚芸術
概要
エロティック・アートは、広義的には制作者、および鑑賞者のどちらか(または両方)が性的興奮を呼び起こすを意図して制作された視覚芸術である。
エロティック・アートは、デッサン、彫刻、映画、絵画、写真など、さまざまな視覚的媒体の作品が含まれる。一般的には、人間の裸体や性行為が描かれるが、ファイン・アートにおける裸体とは区別される。
エロティック・アートにおける裸体描写は、ファイン・アートにおけるそれと異なり広くタブー視され、社会規範や法律によって制作、流通、所持が制限されている。
なお、エロティック・アートとポルノグラフィーは区別されることが多い。その理由はエロティック・アートの多くは、制作者の自己満足やフェティシズムを表現するために制作され、商業的なエロティックとかけ離れているためである。
ファイン・アート史で問題になっている美術としては、葛飾北斎など江戸時代の春画、会田誠、バルテュス、ピエール・モリニエなどが挙げられる。
エロティック・アートを扱っている代表的なギャラリーとしては、ヴァニラ画廊がよく知られている。
定義
エロティック・アートの定義は、何がエロティックで何がファイン・アートであるかという認識が異なるため、文脈に左右され、主観的なものになりうる。
ある文化圏では、陰茎の彫刻は、あからさまにエロティックというよりも、伝統的な権威や効力の象徴とみなされることもある。
性教育で説明ために制作された資料が、他の人々には不適切でエロティックなものとして認識されるかもしれない。
スタンフォード百科事典では、「対象者を性的に刺激することを意図して制作され、ある程度意図通りのものとなった芸術」と定義している。
エロティック・アートとポルノグラフィーはしばしば区別される。エロティック・アートもまた、性行為のシーンを描き、エロティックな興奮を呼び起こすことを目的としているが、ポルノグラフィーは通常、ファイン・アートと混同されることはまずない。
また、エロティック・アートとは、性的興奮以外の目的を持った作品で、エロティックな内容に興味がない人でもアートとして鑑賞できるもの、というように、作品の意図やメッセージによって区別されることがある。
米国最高裁判事のポッター・スチュワートは1964年に、エロティック・アートとして法的に保護されないようなハードコアポルノについて、「見ればわかる」と述べ、この区別は直感的であると述べている。
■参考文献
・https://en.wikipedia.org/wiki/Erotic_art、2022年4月24日アクセス