乙女 / The Maiden
7人の少女で作られた女の星座
概要
| 作者 | グスタフ・クリムト |
| 制作年 | 1913年 |
| メディウム | 油彩、キャンバス |
| サイズ | 190 cm × 200 cm |
| コレクション | チェコ共和国プラハの国立美術館 |
《乙女》は、1913年にグスタフ・クリムトによって制作された絵画。現在、チェコ共和国プラハの国立美術館に保管されている。
クリムトは、少女のまわりにカラフルな模様のスカーフやガウン、花冠を散りばめ、雲のような空や雲のような形で女性の星座を作り上げている。
フォーヴィスムの色彩豊かで感情を表現する作品に触発され、絵画の中心にある人物を好む万華鏡のようなスタイルを選択した。《接吻》や《アデーレ・ブロッホ・バウアー》などの絵画を制作した黄金時代から離れたあとを示す代表的な作品例である。
描かれている豊富な花は、少女が女性へ進化する様子を象徴している。この絵には、交錯する7人の女性が描かれている。それぞれの女性は、特定のライフステージを表している。
中央の眠れる少女は、彼女を取り囲む女性たちのパッチワーク・キルトに象徴される夢の中で、将来の自己の可能性を空想しているのである。
また、ロングドレスは、豊饒と変化・進化し続ける宇宙を象徴する螺旋で覆われている。クリムトは、ギリシャ、ビザンチンのモザイク、中世の様式など、多彩な影響を受けている。
クリムトにとって、女性の姿は、当時の保守的な文化によって抑圧されがちな人間の衝動の本質的な純粋さを表している。
クリムトは、女性の精神を解放し、時代とその時代遅れの文化的モラルを批判したことで知られる。
「乙女」は、クリムトが1918年に亡くなる前に完成させた最後の作品のひとつである。クリムトは「花嫁」というタイトルの未完成の絵を残している。