アフリカ系アメリカ人（黒人として認識されているアメリカ人）が制作した視覚芸術を「アフリカン・アメリカン・アート」と称します。本記事では、アメリカ在住の黒人が制作した視覚美術を紹介します。この芸術は、アフリカ系アメリカ人の文化や歴史を表現するものであり、過去には社会的な正義を訴えたり、社会的な問題を洞察したりするためにも使われてきました。本記事では、こうしたアフリカン・アメリカン・アートの作品を紹介し、その芸術性を明らかにします。

アフリカン・アメリカン・アートとは、アフリカ系アメリカ人（黒人として認識されているアメリカ人）が制作した視覚芸術を広義の意味で表現する言葉である。

アフリカ大陸の住人やアメリカ以外の国に住む黒人が作ったアートではなく、アメリカ在住の黒人が制作した視覚芸術である。

「在日朝鮮人が作った芸術」をコリアン・ジャパニーズ・アートというようなかんじである。

ただし、アフリカをはじめとする世界各地の文化的伝統をはじめ、ヨーロッパの伝統的な芸術や、そこでの生活、仕事、研究の個人的な経験からも影響をうけたものを制作していることが多い。

その中には、ハワードナ・ピンデル、マッカーサー・ビニオン、ノーマン・ルイスなどの作品に見られる抽象表現主義運動で活躍した現代美術家も含まれている。

アフリカ系アメリカ人の現代美術家は、同世代の現代美術家と同様に絵画、版画、コラージュ、アッサンブラージュ、ドローイング、彫刻など、さまざまなメディアを使って作品を制作している。

彼らのテーマもほかの現代美術家と同様に多様だが、多くはアメリカの黒人問題を扱っているか、扱う必要があると感じている。

また、バスケット編み、陶芸、キルティング、木彫り、絵画など、アフリカ系アメリカ人の伝統的な造形芸術にインスピレーションを得て制作した人もアフリカン・アメリカ・アートだが、これらは「手工芸品」または「民芸品」として分類されることもある。