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【作品解説】ジャン=ミシェル・バスキア「ヒールとしての自画像(パート2)」

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ヒールとしての自画像(パート2)/Self Portrait as a Heel (Part Two)

バスキア自身の客観的なイメージを描いた


ジャン=ミシェル・バスキア『ヒールとしての自画像(パート2)』,1982年
ジャン=ミシェル・バスキア『ヒールとしての自画像(パート2)』,1982年

概要


作者 ジャン=ミシェル・バスキア
制作年  1982年
メディウム キャンバスにアクリル、油彩
サイズ 243.8 × 156.2 cm
価格 推定4,000万ドルから6,000万ドル(約60億円〜90億円)
ムーブメント 新表現主義
所蔵者  

バスキアの代表作が出品される


『ヒールとしての自画像(パート2)』は、1982年にジャン=ミシェル・バスキアによって制作された、高さ8フィート(約2.4メートル)の油彩作品です。

 

この作品は、25年近くもの間公の場で展示されていなかったが、2023年11月15日にサザビーズで行われるオークションに出品される予定で、その落札価格は4,000万ドルから6,000万ドル(約60億円〜90億円)であると推定されています。

 

このようなサイズで完成度の高いバスキアの作品はオークションでにおいて希少であり、同様の水準の最後の作品は2017年にサザビーズで販売され、前澤友作氏が記録的な1億1050万ドルで落札した『無題(1982年)』です。

 

 

この作品は、『無題(1982年)』を超えるかどうかは予測できませんが、出品されるバスキアの作品の中で、最も価値の高い作品の1つになるでしょう。

無名時代に描いた「ヒール」シリーズの1つ


サザビーズによれば、この作品はバスキアがベニスのディーラー、ラリー・ガゴシアンの家で滞在していた時に制作されたもののようです。サザビーズの専門家たちは、当時、ロサンゼルスでまだ無名の新進気鋭のアーティストであったバスキアの心情を反映していると考えています。

 

バスキアはこの創作の時期に、「ヒール」という俗語でパンクや不良を表す言葉を取り入れた3つの作品を制作しました。また、プロレスでは、「ヒール」とは試合のヒーローに対する悪役のことも指します。

 

サザビーズ・アメリカの現代アート部門責任者であるデイビッド・ガルペリンは、次のように述べています。

 

 

「この絵画は、バスキアが自らを探求するだけでなく、無意識のうちに他者から受け止められるであろう彼の客観的なイメージを描いています。」

そのほかの「ヒール」シリーズ


 

 

『ヒールとしての自画像(パート1)』(1982年)は2010年にニューヨークのクリスティーズで590万ドル(手数料込み)で落札されました。もう1つの「ヒール」シリーズの作品である『ハリウッド・アフリカンズ』(1983年)は、ホイットニー美術館の永久コレクションとなっています。

 

『ヒールとしての自画像(パート2)』が最後に公に展示されたのは1999年で、当時はクリスティーズで772,000ドルで落札されました。

 

それ以前には、ベルギーのコレクターであるステファン・ヤンセンが所有しており、彼はバスキアの初期のパトロンであり、制作直後にガゴシアンからこの絵を購入していました。

 

この作品を委託したのは、ロンドンのギャラリーであるブレイン・サザンで、彼らが2020年に閉鎖される前にこの自画像を入手したとのことです。『ヒールとしての自画像(パート2)』は、11月1日からサザビーズ・ニューヨークのギャラリーで展示される予定です。




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