都市の全景 / Entire City
薄気味悪く近づいてくる月
概要
マックス・エルンストの「都市の全景」シリーズの作品。崩壊しつつある都市に高圧的な態度でリング状の月が忍び寄る。
この作品は1934年に制作されたもので、エルスントの母国ドイツの政権をダッシュしたナチスに対する悲観的な感情が反映されたものである。作品下半分の蛇の鱗のようなものは、廃墟となった都市を木材やさまざまなテクスチャを使ったグラッタージュ技法によって表現している。
なお1935−36年版「都市の全景」では、リング状の月は満月となり、廃墟となった都市の前景に花が咲いている。