ジュール・ベルへのオマージュ
裸女と学者の対比
概要
「ジュール・ベルヌへのオマージュ」は、1971年にポール・デルヴォーによって制作された油彩作品。
幼少のころからずっとジュール・べルヌ作『地球の中心の旅』を愛読していたデルヴォーは、その主人公である生真面目な学者オットー・リーデンブロックをしばしば絵の中で描き、裸女たちと対照させている。
本作では画面左側で何か顕微鏡のようなものを手に持ち、のぞき見している男性がオットー博士である。この学者はおそらくデルヴォー自身と化したものであり、孤独な科学者の象徴である。
この作品は、デルヴォーにインスピレーションを与え続けた愛読者の作者ジュール・ベルヌへの讃歌である。
「私のタブローに出てくる学者、いつも何かを見つめている、あれはジュール・ベルヌ作『地球の中心への旅』の挿絵をそのままコピーしたものです。(ポール・デルヴォー)」