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【作品解説】ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ「アイリス」

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アイリス / Irises

日本画の影響を受けて描かれた花の絵


ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ「アイリス」(1889年)
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ「アイリス」(1889年)

概要


「アイリス」は、1889年にヴィンセント・ヴァン・ゴッホによって制作された油彩作品。フランスのサン・ミレ修道院のサン・ポール・ドゥ・モウソーレ病院に入院しているときに描いた作品の1つ。

 

1889年5月に入院したあとゴッホは、すぐにアイリスのシリーズを描きはじめた。この作品は病院の庭に自然に咲いていたアイリスを描いたものである。この絵画では後期作品で特徴的だった表現主義的な傾向はほとんど見られない。

 

ゴッホは絵を描きつづけることで、どんどん頭がおかしくなってくると感じ初めてたので、この絵画を「病気の避雷針」と呼んだ。

 

また「アイリス」は日本の浮世絵の影響を色濃く受けている。浮世絵からの影響と思われるものに、輪郭線がはっきりしていること、西洋絵画らしくないアングルやクローズアップ、平面的な色の塗り方などがあげられる(露光を元にした描き方をしていない)。

 

「アイリス」は1889年9月に開催されたアンデパンダン展に「ローヌ川の星月夜」とともに視点時された。

 

この絵を最初に所有したのはジュリアン・フランソワ・タンギーである。彼は画材屋兼画商を営んでおり、ゴッホは彼を3度モデルにして描いたことがある。1892年にタンギーは「アイリス」を、ゴッホの最初のファンの一人であった批評家のオクターヴ・ミルボーに300フランで販売。2012年にロサンゼルスにあるJ・ポール・ゲティ美術館が所有している。



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