ラウル・ハウスマン / Raoul Hausmann
ダダゾーフ(ダダ哲学者)
概要
ラウル・ハウスマン(1886年7月12日-1971年2月1日)はオーストリアの美術家、著述家、詩人、理論家、政治論客、ジャーナリスト、歴史家、編集者、舞踏家、パフォーマー。ベルリン・ダダの重要人物の1人。アナーキストで「ダダゾーフ(ダダ哲学者)」と呼ばれた。
生活の中にプロパガンダを取り入れ、女流ダダイストのハンナ・ヘッヒとともに実験フォトコラージュを発明。無意識を表現するシュルレアリストのコラージュと異なり、ハウスマンのフォトコラージュは、政治や社会に対する辛辣なアイロニーを込めているのが特徴だった。ハウスマンの最も有名な作品は『機械的な頭部』(1920年)と『美術批評家』(1920年)。
1920年末には『ダダイスムの歴史』など、これまでのダダの動きを総括するかのような2冊の著書を出版し、歴史家として活躍。
さらにハウスマンは、ポスター用の大きな木版活字を使って「fmsbwtozau」「fmsbw」などの「ポスター詩」や「文字詩」と呼ばれる作品群を制作。これらの文字は、通常の言葉の役割から切り離されて別の活字と並べられ、視覚的な楽しみと音響的な効果を産みだした。ハウスマンはこれらの詩を暗唱しながら踊るなどのパフォーマンスも行う。
また、音と光の現象に興味を持ち、視覚音声論を書き一方で、1935年に音波と光波を照応させる「オプトフォン」という機械を発明した。