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芸術写真「ファインアート・フォトグラフィ」

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芸術写真 /  fine art photography

商業写真と一線を画す芸術的な写真


アルフレッド・スティーグリッツ「操舵」(1907年)
アルフレッド・スティーグリッツ「操舵」(1907年)

概要


芸術写真とは


芸術写真(ファインアート・フォトグラフィー)は、写真家個人のビジョンを反映して撮影された作品である。商業写真(グラビア、製品写真、報道写真など)は、被写体もしくは第三者の要望に従い客観的に撮影が行われるが、美術写真はそれとは対照的に写真家の主観的な視点で撮影が行われる

 

アルフレッド・スティーグリッツの1907年の写真作品「操舵」は近代美術写真の初期作品で、多くの美術史家から最も重要な芸術写真とみなされている。アルフレッド・スティーグリッツは美術館のコレクションに芸術写真を紹介したことで有名だった。

 


最初期の芸術写真家


ある写真史家は最初期の芸術写真家は、ヴィクトリア朝時代のイギリスの写真家ジョン・ジェイベズ・エドウィン・メイオール(1813〜1901年)の合成写真だとある写真史家は主張する。彼は1851年にダゲレオタイプで聖書の「主の祈り」のシーンを図解するために撮影した。

 

彼は1840年代後半から自信を「写真家」よりもむしろ「芸術家」として考えるようになった。ほかに自身を「芸術写真家」とみなしていた写真家としてはジュリア・マーガレット・カメロン、ルイス・キャロル、オスカー・ギュスターヴ・レイランダーなどがいる。

 

アメリカでは、アルフレッド・スティーグリッツエドワード・スタイケン、ジョン・スザーコウスキー、F・ホーランド・デイ、エドワード・ウェストンなどが芸術写真家の巨匠として知られている。彼らは生涯を写真を美術の文脈に組み入れることに費やしていた。特にスティーグリッツの写真は美術館に正式に収蔵されるほど注目を集めた。

芸術写真(ピクトリアリスム)の誕生と普及


エバ・ワトソン・シュッツェ「ローズ」(1905年)
エバ・ワトソン・シュッツェ「ローズ」(1905年)

当初の芸術写真は絵画のスタイルを真似ようとしていた。1885年ころから流行した写真の潮流「ピクトリアリスム」が、芸術写真の先駆的なムーブメントといえる。

 

19世紀に、写真師は科学者や職人たちと同じくくりで扱われていたが、"芸術としての写真"を目指すものたちが現れた。これがピクトリアリズム写真誕生のきっかけである。

 

ピクトリアリズムの多くはソフトフォーカスを利用して、夢のような、ロマンチックで曖昧な写真となっている。ただしピクトリアリズムは絵画的な写真であり、一般的にファインアートとして認識されることはなかった。日本における芸術写真は、現在にいたるまでピクトリアリスムのことを指している。

 

20世紀になると、芸術写真とドキュメンタリー写真の2つが英語圏のアートワールドやギャラリーシステムで扱われるようになった。特にアメリカのアートワールドにおいて芸術写真の需要は大きく、また大きく発展した。1940年にはニューヨーク近代美術館において正式に写真部が設立され、美術館にも写真が収蔵されるようになった。

 

1960年代頃のイギリスにおいては、アメリカと異なり芸術写真はまだファイン・アートとして認識されていなかった。ファイン・アートとして意識的に認識し、イギリスにおいて市場形成を始めたのはS.D.エッサウラ博士だった。彼は1961年に写真芸術協会(Photographic Fine Art Association)を結成し、その会長を務めて宣言した。

 

「現時点で写真は世界的に見ても工芸品としかみなされていません。しかしアメリカの某方面では写真を"ファインアート"として広く受け入れています。ギャラリーや展覧会において"ファインアート"として展示されています。ここイギリスではまだ写真に対応していません。ザ・ロンドン・サロンではピクトリアリスム(絵画的な写真)の展示を行っていますが、一般的にファインアートと思われていません。作品が美術的な価値あるかないかに関わらず、ピクトリアリスムという言葉は非常に曖昧な用語です。写真家自身が作品に尊厳や芸術的価値があることを自信を保つ必要があり、工芸よりむしろ芸術と力強く認識する必要がある。」

芸術写真(ファインアート)の誕生と普及


1970年代後半までの芸術写真といえば、ヌード、ポートレイト、風景画が大半をしめていた。芸術写真に変化が現れたのは1970年代から1980年代にかけてである。この時代にサリー・マン、ロバート・メープルソープ、ロバート・アーバー、シンディー・シャーマンといった新しい芸術写真家が続々と登場した。

 

この時代は近代美術から現代美術への移行期で、コンセプチュアル・アート、パフォーマンス・アート、インスタレーションなどさまざまな表現形式が多様になった。こうした状況で写真の重要性も増し、写真も積極的にファインアートとして組みいられるようになった。

 

芸術写真市場


代官山フォトフェア(日本)


代官山フォトフェアは、日本で毎年秋に開催される芸術写真、および芸術写真書籍に特化したフォトフェア。主催は、一般社団法人日本芸術写真協会(FAPA)、2017年までに4回開催されている。

 

代官山フォトフェアでは、日本国内外の芸術写真を取り扱うギャラリーや、書籍・出版社が一同に集い、展示・販売が行われる。作家や評論家、キュレーターらによるトークセッションなど、多くの関連イベントも開催される。

 

2017年には奈良美智の個展が開催された。

 

代官山フォトフェア公式サイト


写真家


荒木経惟
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アルフレッド・スティーグリッツ
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アレックス・プラガー
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ヴィヴィアン・マイヤー
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植田正治
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ジョエル・ピーター・ウィトキン
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シンディ・シャーマン
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ダイアン・アーバス
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トーマス・ルフ
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細江英公
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マン・レイ
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リー・ミラー
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茶一
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