サグラダ・ファミリア / Sagrada Família
世界最大のスペインの教会建築
概要
サグラダ・ファミリアはスペインのカタルーニャ・バルセロナにある巨大なローマ・カトリック教会です。スペインの建築家のアントニ・ガウディが設計、現在も建設中ですが、既にユネスコ世界遺産に登録されています。
また2010年11月には、ベネディクト16世 (当時のローマ教皇)が礼拝に訪れて、正式にローマ・カトリック教会として認定するミサを行い、着工から128年目にして大聖堂(カテドラル)とは異なる上位の教会「バシリカ」となりました。
サグラダ・ファミリアの着工は1882年に始まりました。翌年に1883年にガウディが主任建築士に任命され、建設計画を独自の方向へ変更しました。
ガウディ自身の建築設計や土木設計にこれまでのゴシック様式や曲線的なアール・ヌーヴォー様式を組みわせた構造となっており、直線、直角、水平がほとんどない外観が特徴です。
ガウディは1923年、76歳の最晩年まで精力的にこの建設企画に関わりましたが、彼が生きている間に完成することはできませんでした。なお、ガウディの亡骸はサグラダ・ファミリアに埋葬されています。
しかしガウディ死後もサグラダ・ファミリアは、ゆっくりですが、市民の建設資金の寄付やさまざまな助力のおかげで建設は続けられています。途中スペイン市民戦争で一時的に建設が中断したり、建築資料を紛失することなどもありましたが、1950年代以後は断続的に建設を再開しています。
プロジェクトの最重要点は残ったままですが、2010年には全体の半分が完成したことになっており、大礼拝堂も完成、公開されました。
1980年代には、完成までに300年くらいはかかると言われていましたが、IT技術などの進展により、現在では2026年の完成が見込まれています。
美術批評家のライナー・ツェルプストは、「全地球の美術史においてこのような教会建築は前代未聞である」とコメントしており、またアメリカの建築批評家のポール・ゴールドバーガーは「中世以来のゴシック様式において最も異常で個人的なカラーの強い建築物」とコメントしています。