ストリート・アート / Street art
非認可の公共芸術作品
概要
ストリート・アートは公共的な場所で制作された視覚芸術で、伝統的な美術館やギャラリーなどの会場の外で展示された非認可の公共芸術作品のこと。「グラフィティ(落書き、いたずら書き)」と同じ扱いとみなされている。
しかし、これらの芸術様式は芸術業界において、「独立公共芸術」や「ネオ・グラフィティ」、「ポスト・グラフィティ」と呼ばれ、アーバンアートやゲリラ芸術と密接に関連しているとみなされるようになっている。
ストリート・アートで使用される一般的な芸術様式やメディウムは、スプレーペイント、落書き、ステンシル、違法ビラ、ステッカーアート、ストリート・インスタレーション、彫刻である。
21世紀に入り、これらの表現形式のほかにライブ・パフォーマンスとそれをスマホやウェブサービスで配信する動画を利用したストリート・アートや、ヤーン・ボーミングと呼ばれる毛糸で覆われた彫刻も増えている。
代表的な芸術家
背景
ストリート・アートは建物、路上、電車、そのほか一般の人々の目に付く公共の場所で展示される芸術形態の1つである。
作品の多くはゲリラ的な手法で描かれ、また描かれた作品は、芸術家が居住している地域社会と関連のある公的な声明を含んでいる。
もともとストリート・アートは単なる落書きや公共物の破壊行為だったが、しだいに芸術家のメッセージを伝えるスタイル、または単純に人々に美を見せるスタイル移り変わっていった。
ストリート・アートを行う一般的な動機は、ギャラリーやほかの場所よりも公共空間を利用したほうがより多くの不特定多数の人々に自身の作品を見てもらえるというメリットである。
また、一般庶民に対して社会的問題や政治的問題への関心を高める方法として「スマート・バンダリズム(柔らかな破壊行為)」としてストリート・アートを利用する芸術家もいる。
ほかには、単純に都市空間自体を個人的な作品を発表するための新しいスタイルとして利用するものや、公共の空間に非合法な芸術作品を描く挑戦やリスクを楽しむ事に価値を見出すものもいる。
ストリート・アートにおける伝統的な制作方法はおもにスプレー・ペイントである。そのほかにはLEDアート、モザイクタイル、ステンシル、ステッカー、リバース・グラフィティなどさまざまな手法が存在する。
絵画以外にも「ロックオン」彫刻、ストリート・インスタレーション、ウィートペースティング、ウッドブロッキング、ヤーン爆弾、ロック・バランシングなどさまざまなメディウムを利用した表現がある。特に最近流行っているのは大都市の建物へ映写するといった新しいメディア形式である。
現在は、安価なハードウェアやソフトウェアが手に入るようになったこともあり、街の企業広告と競争力を高めるまでになった。
ストリート・アートのようなスタイルを「独立公共芸術」という言葉を使う人もおり、この定義では鑑賞者が訪れないような遠隔地にある作品も含む。森の中で行われる一時的な着色煙の芸術や、ロック・バランシングのような積み重ねた岩のオブジェクトなどが代表例である。水中に設置される作品もある。
■参考文献
・https://en.wikipedia.org/wiki/Street_art 2019年1月20日
■画像引用
※1:https://en.wikipedia.org/wiki/Bleepsgr 2019年1月20日
※2:https://en.wikipedia.org/wiki/Rock_balancing 2019年1月20日