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【作品解説】バンクシー「Well Hung Lover」

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Well Hung Lover

イギリスではじめて合法となったストリート・アート


※1:《Well Hung Lover》2006年
※1:《Well Hung Lover》2006年

概要


作者 バンクシー
制作年 2006年
位置 フロッグモア・ストリート
メディア 壁画、グラフィティ、ステンシル
場所 ブリストル

《Well Hung Lover》は2006年にバンクシーによって制作されたストリート・アート。イギリス、ブリストルのフロッグモア・ストリートに描かれた。

 

全裸の男が窓に片手でぶらさがっており、窓にはスーツを着た男性が裸の男性に気づかずよそ見をしている。男性の隣には下着姿の女性がいる。

 

性的衛生医療の観点から描かれた作品で、ブリストル市議会による検閲を経て、イギリスで最初の合法的な作品となった。ヌード画にもかかわらずこの作品には遡及的な許可と保護が与えられた。

 

2009年にこの作品はペイントボール銃で損傷を受けたことがあるが、市議会の手である程度修復されたが、散布した塗料が残ったままになっている。

不倫現場


《Well Hung Lover》はステンシル形式のグラフィティで、右腕で窓枠をつかんでぶらさがり、左腕で性器を隠している男を描いたものである。窓を見ると2人の人物がいる。1人はスーツ姿の男性で左側に描かれており、もう1人は下着姿の女性で右側に描かれており、男の肩を触っている。

 

この絵は、不倫を起こした疑いのある下着姿の女の夫が現場から逃げた裸の男を窓から探しているという内容である。

 

当初この作品はフロッグモア・ストリートにあるブルック性的医療機関の外壁にステンシル形式で描かれている。壁画はフロッグモア・ストリートから約5メートルほど高い場所に設置されており、実際はフロッグモア・ストリートの上にあるパーク・ストリートからよく見ることができる

 

作品内容と適応する場所として、バンクシーはこのような高い位置を選択した。壁の反対側に足場を作り、防水シートで壁を隠しながら創作したという。制作完了の3日後、市議会が足場を取り外すと作品が発見された。

 

※2:中央の赤い建物がブルック性的医療機関。
※2:中央の赤い建物がブルック性的医療機関。

UK初、合法的なストリートアートに


本作品は市議会の方針でグラフィティを取り締まろうとしたときに描かれた。市議会は当初、壁画に反対していたが、住人の中には「この地域が明るくなった」と作品を弁護するものもいた。

 

作品を残すかどうかオンラインでアンケートをとったところ、回答結果の97%が残すことに賛成となり、遡及的な許可のもと残すことになったイギリスで最初の合法的なストリート・アートとなった。

 

ただし、市議会はこれは例外措置であり、今後もストリート・アートが必ずしも許容されるわけではないことを強調した。

 

2009年6月22日の夜、ブリストル市美術館とアートギャラリーで開催された「バンクシー対部リトル展覧会」の10日後、作品は複数の人間によりペイントボール銃を使った青いペイントボールが発泡され汚された。犯人の1人は、当時バンクシーとライバル関係にあり、互いの作品を塗りつぶしあっていたKing Robboが疑われたが、犯人は特定されていない。

■参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/Well_Hung_Lover 2019年2月12日

 

■画像引用

※1:https://en.wikipedia.org/wiki/Well_Hung_Lover 2019年2月12日

※2:https://en.wikipedia.org/wiki/Well_Hung_Lover 2019年2月12日



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