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【作品解説】バンクシー「東京 2003」

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東京2003 / Banksy in Tokyo – 2003

汚く、とるに足らないネズミたちの絵


※1:《東京 2003》2003年
※1:《東京 2003》2003年

概要


作者 バンクシー
制作年 2003年
位置 東京都港区「ゆりかもめ」の日の出駅付近
メディア 壁画、グラフィティ、ステンシル
場所 東京

《東京 2003》は、2003年に東京都港区の東京臨海新交通臨海線「ゆりかもめ」の日の出駅付近にある東京都所有の防潮扉に描かれたバンクシーによるものと思われるストリート・アート。傘をさし、カバンを持ったネズミのステンシル作品。

 

バンクシーは2000年から2003年にかけてバルセロナ、東京、パリ、ロサンゼルス、イスラエルを訪問しており、そのときに初期ステンシル作品シリーズ「Love is in the air」を各地に書き残している。本作品は「Love is in the air」のシリーズの1つ《東京 2003》とみなされている。

 

本作品は、バンクシー自身による公式本『Wall and Piece』の107ページに掲載されているほか、バンクシーの公式サイト上でも掲載されている

 

制作から15年経過した2019年1月12日、文化振興部企画調整課によると小池百合子東京都都知事が公務の途中に自らの希望で立ち寄り、絵を確認している。

ただし、式サイトや書籍に掲載されている写真と反転しており、またバンクシー自身もコメントを発していないことから真贋がわかっていない

 

ロンドンのギャラリストでバンクシー作品を所蔵するジョン・ブランドラーは「これは110%本物です。何の疑いもありません。約2000万円から3000万円はすると思います」とコメントしている。ボルトの位置や地面のコンクリートに走るひびも同じであることから、きわめて本物の可能性の高く、反転しているのはおそらく製本時の写真反転ミスとおもわれる。

 

絵は都がすでに撤去し、都内の倉庫に保管され、2019年4月25日から5月8日の2週間限定で、東京都新宿区にある都庁第一本庁舎2階で展示。

『Banksy Wall and Piece』日本語版より。
『Banksy Wall and Piece』日本語版より。

ネズミの意味


バンクシーはネズミの絵に対して以下のような説明をしている。

 

「やつらは許可なしに生存する。やつらは嫌われ、追い回され、迫害される。やつらはゴミにまみれて絶望のうちに粛々と生きている。そしてなお、やつらはすべての文明を破滅させる可能性を秘めている。もし君が、誰からも愛されず、汚くてとるに足らない人間だとしたら、ネズミは究極のお手本だ。」書籍「Banksy Wall and Piece」より引用。

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