女性の頭部 / Head of a Woman
内なる世界を探求した近代美術の萌芽的作品
概要
作者 | レオナルド・ダ・ヴィンチ |
制作年 | 1508年 |
メディア | 油彩、木製パネル |
サイズ | 24.7 cm × 21 cm |
ムーブメント | 盛期ルネサンス |
所蔵者 | パルマ国立美術館 |
《女性の頭部》は1508年にレオナルド・ダ・ヴィンチによって制作された油彩作品。《ほつれ髪の女性》と呼ばれることもある。24.7 cm × 21 cm。イタリアのパルマ国立美術館が所蔵している。
未完成の木製パネルに高度なルネサンス様式で描かれた未完成の作品である。
初めて公開されたのは1627年に公開されたイタリア貴族ゴンツァーガ家のコレクションで、そのときに「レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた女性の頭部スケッチ画」として紹介された。年代、起源、制作意図は謎に包まれている。
1531年ころにフェデリーコ2世・ゴンツァーガの后マリーア・パレオロガのベッドルームにかけられていた作品であると推定されている。1501年に侯爵はピエトロ・ノヴェッラーラへマリーアのプライベート・ルーム用にかけるマドンナの絵画をレオナルドに描いてもらえるかどうか尋ねる手紙を送っている。
本作品は1829年からパルメザンコレクションの一部になったあと、この絵画は《岩窟の聖母》や《聖アンナと聖母子と幼児聖ヨハネ》などを制作していたレオナルドの成熟期のころの作品であると説明されている。
批評
美術評論家のアレクサンドル・ナジェルは作品について次のように書いている。
「視線は外界に集中しておらず、むしろ内なる場に留まることを良しとする印象を与える。外界から直接的な感銘を受けるより、むしろ内なるフィルターを通してものを見ている。特定の思考を越えた精神状態で浮遊した状態にあり、自分自身の身体を意識することすらもない。この絵画の内なる生活の探求は、これまでの行為や物語性に頼ることのない新しい絵画表現が示唆される」。
■参考文献
・https://en.wikipedia.org/wiki/Head_of_a_Woman_(Leonardo)、2019年6月23日アクセス