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【作品解説】神奈川沖波裏トリチウム「原発処理水の放水を皮肉るパロディ画」

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神奈川沖波裏トリチウム / The Great Wave off Kanagawa Tritium

原発処理水の放水を皮肉るパロディ画


概要


《神奈川沖波裏トリチウム》は中国の遼寧省大連の匿名イラストレーターの作品。日本を象徴する作品《富嶽三十六景 神奈川沖浪裏》のパロディー画。

 

中国のソーシャルメディア「新浪微博」でネットユーザーの間で話題になったもので東京電力福島第一原発の処理水放出問題を皮肉った作品。この作品を戦狼外交で注目を集めている中国外務省の趙立堅副報道局長が、Twitterに投稿したことで4月下旬に物議を醸した。

 

波打ち際の白いしぶきは、変形した人間の指、奇形のような赤ん坊、海の中でもがく突然変異した海洋生物として再現されている。ネクタイを締めた日本の官僚たちが頭を下げて間違った判断を謝罪し、防護服とガスマスクをつけた作業員たちがバケツに入った核廃水を海に流している。そして、背後には十字架の形をした雲が描かれている。

 

福島第一原子力発電所の廃水を太平洋に投棄したり、日本の首相がいまだ軍国主義的な神社に参拝するなど、日本政府の無責任な行動をとるため、中国の人々の間では「礼儀正しい国」という日本のイメージが崩壊しかけているという。

 

日本の偉大な浮世絵である《神奈川沖の大波》は、困難に立ち向かい、粘り強く前進する勇敢な人間の象徴とされているが、現在、中国のソーシャルメディアでは風刺的なシンボルになっている。

 

趙立堅は防護服を着た人物が船からバケツで液体を流す様子などが描かれ「北斎が生きていれば非常に心配していただろう」と書き込んだ。

 

日本政府が投棄を決定した123万トン以上の汚染水には、トリチウムや炭素14、ストロンチウム90、ヨウ素129、コバルト16など、多くの放射性同位元素が含まれていると専門家は推定している。

 

この匿名イラストレーターは、グローバル・タイムズ紙の取材に対し、日本の決定を非常に残念に思うと述べ、このイラストは彼なりの抗議の方法であると付け加えた。

 

「私のデザインの詳細はすべて直感的なもので、中国人にも日本人にも、そして西洋人にも理解できる絵であることを願っています。もし日本が最終的に核で汚染された水を捨てれば、全人類にとっての結果は、この絵に描かれている通りになるでしょう」と述べている。

 

このイラストは、新浪微博(Sina Weibo)で模倣が相次ぎ、より多くの才能ある中国のネットユーザーによりパロディ作品を制作された。中には、蛍光グリーンを海の色に見立てて、放射能汚染された海や奇妙な突然変異を起こした海洋生物を表現したものもある。


■参考文献

https://www.globaltimes.cn/page/202104/1221726.shtml、2021年4月28日アクセス



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