ジャポニズム /Japonisme
19世紀に日本美術に影響を受けたことを表現するフランス語
概要
ジャポニスムとは、1858年に日本の鎖国政策が解除された後、19世紀に西ヨーロッパの多くの芸術家が日本の美術やデザインの人気と影響を受けたことを表すフランス語。
ジャポニスムは1872年にフランスの美術評論家で収集家のフィリップ・ブルティによって初めて解説された。
その影響は視覚芸術が最も顕著であったと思われるが、建築、造園、園芸、衣服などにも及び、舞台芸術にも影響を与えた。ギルバート&サリバンの『ミカド』はジャポニズムの代表的な例とみなされる。
1860年代以降、もともとは、日本国内の商業市場向けに制作された木版画である浮世絵は、多くの西洋人芸術家のインスピレーションの源となった。
オランダの貿易商を通じて西洋に渡った版画もあるが、ヨーロッパで浮世絵が人気を博したのは1860年代に入ってからである。
西洋の芸術家たちは、浮世絵の独創的な色使いと構図に興味を抱いた。浮世絵は、大胆な遠近法や左右非対称の構図が特徴である。
浮世絵以外では、陶磁器、エナメル、金工、漆器などの日本の装飾芸術が、グラフィックアートと同様に西洋に影響を与えた。 明治時代(1868-1912)には、日本の陶器は世界中に輸出された。
武士の武器を作ってきた日本の金属工芸家は、合金の組み合わせや仕上げによって、表情豊かな色彩を獲得してきた。
日本のクロワゾネエナメルは1890年から1910年にかけて黄金期を迎え、かつてないほど高度な製品が生み出した。
19世紀のヨーロッパでは、日本の工芸品が次々と万国博覧会で展示され、ギまた、ャラリーやファッショナブルなショップで取り上げられ、広く目にする機会ができた。
当時の批評家、コレクター、アーティストは、この「新しい」芸術に対してかなりの興奮を表していた。
ジークフリート・ビンやクリストファー・ドレッサーなどのコレクターは、これらの作品を展示し、それについて執筆している。こうして、日本のスタイルやテーマは、西洋の芸術家や職人の作品に再び登場することになった。
■参考文献
・https://en.wikipedia.org/wiki/Japonisme、2022年7月7日アクセス