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【作品解説】レオナルド・ダ・ヴィンチ「美しい王女」

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美しい王女 / La Bella Principessa

世界的権威からレオナルドの真作とみなされた少女像


概要


《美しい王女》は、1490年代のミラノの流行ファッションとヘアスタイルをした若い女性を描いた肖像画。『ビアンカ・スフォルツァの肖像』『ルネサンス期の衣装を着た横顔の少女』『若い婚約者の肖像』とも呼ばれている。

 

33×23.9cmと、A4より少し大きいくらいのサイズで、子牛や子牛の胎児の皮から作られる羊皮紙「ベラム」に、チョークとインクで描かれたカラー作品である。

 

1998年にニューヨークのアートディーラー、ケイト・ガンツがクリスティーズで2万1850ドルで落札したあと、2007年に自身のギャラリーでほぼ同じ価格でカナダのコレクター、ピーター・シルバーマンに売却した。

 

《美しい王女》は、現在スイスの秘密の場所にある金庫に隠されている。

 

レオナルド・ダ・ヴィンチの作品ではないかと主張する学者もいるが、帰属と作品の信憑性はいまだ議論されている。

 

反対派の意見では、この肖像画は19世紀初頭のドイツ人画家がイタリア・ルネサンスのスタイルを模倣したものだという。クリスティーズのカタログには、ルネサンスの様式的要素を持つ19世紀初頭のドイツの作品と記されている。

 

しかし、放射性炭素年代測定の結果、紙はもっと前の時代のものであることが分かっている。

 

 

真作を主張するのはレオナルドの権威的な学者であるマーティン・ケンプやパスカル・コッテらなどである。

 

ケンプとコットによると、この作品はワルシャワにあるミラノ製のベラムの本『ラ・スフォルツィアーダ』から切り取られたもので、1496年にガレアッツォ・サンチェヴェリーノとレオナルドの雇い主であるルドヴィコ・スフォルツの私生児のビアンカとの結婚を祝して描かれたものだという。




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