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【作品解説】パブロ・ピカソ「裸体:緑葉と胸」

裸体、緑葉と胸像 / Nude, Green Leaves and Bust

テレーズとの秘密の愛人関係を暗喩


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パブロ・ピカソ「裸体:緑葉と胸像」(1932年)
パブロ・ピカソ「裸体:緑葉と胸像」(1932年)

概要


「裸体:緑葉と胸像」は、1932年にパブロ・ピカソによって制作された油彩作品。162cm×130cm 。愛人マリー=テレーズがモチーフで、生き生きとした青とライラック色が印象的な、テレーズシリーズの中でも最も大きな作品である。

 

ピカソは1927年1月に初めてマリー=テレーズと出会った。その後数年間、ピカソは親友たちや妻のオルガでさえ、全く知らなかったほど秘密裏にテレーズと愛人関係を続けていた。1931年から932年にかけて1はマリー=テレーズの絵画や彫刻のシリーズを続けるが、本作は1930年に購入したボワジュルー城のアトリエで制作された作品である。

 

フィロデンドロンの豊かな緑のフォルムとマリー=テレーズの豊かな身体フォルム、そして彫像の頭部とテレーズの頭をダブルイメージ的に描いている。

 

暗く影がかかった胸像はテレーズの内面を現すのはもちろんのこと、後景のカーテンとも関関連付けることができる。このカーテンは当時の「秘密の愛人関係」を暗喩するものである。またフィロデンドロンは「観葉植物」であるが、これも同じく「秘密の愛人関係」を暗喩するものである。

 

また影を落とす彫像と対比するような前景の真っ白なテレーズの裸体や赤い果実は、部屋全体を照らすイルミネーションとなっている。

 

ロサンゼルスのアートコレクターのシドニー&フランセーズ・ブロディ夫妻が、60年近く所蔵していた。フランセーズ・ブロディが2009年11月になくなると、2010年5月4日にニューヨークのクリスティーズで絵が売りだされた。9500万ドルで楽されたが、買い手のプレミアムを含めて価格は1億600万ドルに達した。

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パブロ・ピカソ「夢」
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パブロ・ピカソ「鏡の前の少女」
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パブロ・ピカソ「花を持つ女」
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