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【作品解説】アンリ・マティス「王の悲しみ」

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王の悲しみ / The Sorrows of the King

マティス最晩年期の代表作


アンリ・マティス『王の悲しみ』(1952年)
アンリ・マティス『王の悲しみ』(1952年)

概要


作者 アンリ・マティス
制作年 1952年
サイズ 292 cm × 386 cm 
メディウム キャンバスにガッシュに描かれた紙
所蔵先 ポンピドー・センター
スタイル フォーヴィスム

『王の悲しみ』は、アンリ・マティスが1952年に切り取った紙の形を使ってコラージュにしたカット・アウト作品。グアッシュ絵の具で着色した紙をキャンバスに貼り付けている。サイズは292×386cmである。

 

1940年代初頭からなかばにかけて、マティスは体調を崩していた。1950年には絵を描くことをやめ、カット・アウトに没頭するようになる。『王の悩み』は、マティスのカット・アウトシリーズの最後の作品群の一例として知られている。

 

マティスの《王の悲しみ》は、彼の生涯の終わりに近い時期に描かれた影響力のある作品である。多くの批評家は、この時期が彼の最も革新的な時期だと考えている。彼は重度の関節炎を患い始め、癌を患い、車椅子での生活を余儀なくされていた。

 

絵はマティスの自画像で、老いて以前の人生を振り返ることや、音楽があらゆる悩みを癒すというテーマを描いている。

 

若き英雄が王の憂いを晴らすために演奏するレンブラントの絵画『サウルの前でハープを弾くダビデ』や、オランダの巨匠レンブラントの晩年の自画像を参照している。こうした環境でマティスは老年期、過去の人生を振り返り、心地よい音楽の愛撫をテーマに描いている。

 

マティスは、中央でアームチェアに座り、人生を豊かにしてくれた快楽に囲まれている自分のシルエットのような、中央の黒いフォルムで自分自身を表現している。

 

黄色の花びらは楽譜の華麗さを表現し、緑色のエキゾチックな女性は東洋を象徴し、ダンサーは女性の身体と官能性を祝う役割を果たしている。

 

作品の青、緑、マゼンタ、黄色のブレンドとコントラストは、長年にわたるマティスの熟練を示しています。王の悲しみは1952年にサロン・ド・メに展示され、ジャン・カスーとジョルジュ・サレスが購入した。

 

イギリスの作曲家ピーター・シーボーンは、マティスの晩年の切り絵に触発されて7重奏曲「王の悲しみ」(2007)を作曲し、シカゴとフィンランドのラハティでラハティ交響楽団のメンバーによって演奏された。

■参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/The_Sorrows_of_the_King、2023年4月4日アクセス

https://www.thehistoryofart.org/henri-matisse/sorrows-of-the-king/、2023年4月4日アクセス



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