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【作品解説】アンリ・マティス「紫のコートを着た女性」

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紫のコートを着た女性 / Woman in a Purple Coat

マティス最晩年期の代表作


アンリ・マティス『紫のコートを着た女性』(1937年)
アンリ・マティス『紫のコートを着た女性』(1937年)

概要


作者 アンリ・マティス
制作年 1937年
サイズ 81 cm × 65.2 cm
メディウム キャンバスに油彩
所蔵先 ヒューストン美術館
スタイル フォーヴィスム

「紫のコートを着た女性」は、1937年にアンリ・マティスによって制作された油彩作品。この絵のモデルは、晩年にマティスを世話したリディア・デレクトールスカヤという女性である。彼女は1917年のロシア革命で逃れてきたシベリア出身のロシア人だった。

 

彼女自身が語ったところによると、彼女はマティスのモデルでよく見かける、暗い目、黒髪、オリーブ色の顔立ちではなく、長いブロンドの髪、青い目、白い肌だったそうです。マティスは彼女を「氷のお姫様のよう」と評している。

 

リディアはフランスのニースでマティスと出会い、当時25歳の彼女は無一文で、マティスは65歳で有名な芸術家だった。マティスはリディアに優しく接し、彼女が尊敬していたヌードポーズを要求することもなかった。

 

しかし、マティスの妻がマティスがリディアと寝たことを非難したため、リディアはマティスのモデルを解雇されたことがあるという。

 

「紫色のコートを着た女」は、色と光を駆使して、マティスがモデルに対してではなく、人生そのものに対する感情を表現した素晴らしい作品である。絵の中に直線は一本もあないが、様々な色が並存しているため、直線の必要性は感じられない。

 

テーブルの上の果物など、いくつかのアイテムには明確な輪郭がない。それ以外のものは、太く黒い輪郭で囲まれていて、リディアや他のオブジェクトを際立たせ、リディアが座っている長椅子から飛び出しそうなほど、彼女を主役にした作品になっている。

 

また、この作品は立体感を与え、まるで彼女が今にも立ち上がって歩き出しそうな印象を与えている。背景のさまざまな模様は、彼女が部屋の隅にいるように見せ、彼女の右側に花を、足元に雑誌を配置することで、奥行き感を表現している。

リディア・デレクトールスカヤ
リディア・デレクトールスカヤ

■参考文献

https://www.henrimatisse.org/woman-in-a-purple-coat.jsp、2023年4月4日アクセス



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