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【美術解説】アウグスト・ナッテラー「30分で1万ものイメージが点滅!!」

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アウグスト・ナッテラー / August Natterer

30分で1万ものイメージが点滅!!


『出現時の私の眼』,1913年
『出現時の私の眼』,1913年

アウグスト・ナッテラーは、統合失調症と戦いながら、独特の芸術世界を築いたドイツの画家です。特に1907年に体験した「最後の審判」と称される幻覚体験は、彼の芸術に深い影響を与え、神秘的なメッセージを込めた緻密なドローイングを生み出すきっかけとなりました。これらの作品は、精神疾患とアートの関係性を探求する文献にも取り上げられ、後世に大きな足跡を残しました。

概要


生年月日 1868年8月3日
死没月日 1933年10月7日
国籍 ドイツ
ムーブメント アウトサイダー・アート

統合失調症に苦しんだドイツ出身の画家であるアウグスト・ナッテラーは、社会における精神疾患に対する偏見から彼と家族を守る目的で、精神科医によって「ナッテラー」というペンネームを授けられました。

 

ハンス・プリンツホルンの記述によれば、アウグスト・ナッテラーは冒険心に溢れ、非常に才能があり野心的な人物でした。彼は9人兄弟の中の最年少で、ヨーロッパやアメリカ合衆国を旅行しながら電気技術事業で成功を収め、結婚もしました。

 

しかし後に、突然深刻な妄想、強い抑鬱、そして精神的な不安に襲われ、1907年4月1日には、わずか30分間で「最後の審判」と呼ばれる1万ものイメージがフラッシュバックするような幻覚を体験しました。彼は発病時に見たこれらの幻覚について詳細に語っています。

 

「雲の中に白い点が見えた。すべての雲が一時停止した。それから白い点は離れ、空に板のようにずっと立っていた。同じボードやスクリーンやステージの上で、閃光のように素早い映像が30分間に約1万枚も流れた。世界を創造した魔女である神自身が、この世の幻影の合間に現れたのだ。戦争の映像、大陸の映像、記念碑の映像、城の映像、美しい城の映像、世界の栄光の映像、しかしこれらすべてが、超自然的な映像で見えた。その映像は、少なくとも20メートル以上の大きさで、観察するには鮮明で、写真のようにほとんど色がなかった。その映像は「最後の審判」だった。キリストは早く十字架にかけられたので、救いを果たすことができなかった。救いを成し遂げるために、神が私に啓示したのだ」。

 

この衝撃的な幻視体験は、アウグスト・ナッテラーに自殺未遂を引き起こさせ、彼はその後26年間をいくつかの精神病院で過ごすことになりました。この幻覚は彼の現実認識を根底から変え、無数の顔、人間の形をした風景、キリストや反キリストの象徴、戦争の光景、そして「世界全体のすべての美」を描写した「最後の審判」のような壮大なイメージを彼の心に刻み込みました。

 

ナッテラーは、この短時間にあふれ出る大量のイメージが、キリストが成し遂げることのできなかった罪の償いを果たすよう求めるメッセージであると解釈しました。彼は自らを世界の救世主だと見なし始め、複雑な家系図を作成。その家系図によれば、彼の祖母はナポレオン1世の非嫡出子だったとされています

 

1911年、ナッテラーは衰えゆく幻覚を記録するために、工業デザイナーとしての技術を活かし、細部にまでこだわった精緻なドローイングの制作を開始しました。常に技術的なドローイングのように明確で客観的なスタイルで描かれています。

 

これは彼の電気技師としての経歴によるものでしょう。その中から7点がハンス・プリンツホルンによって『精神病者の芸術性』に収録され、その後も多くの人々に影響を与え続けています。


■参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/August_Natterer、2024年2月2日アクセス

・図録『パラレル・ビジョン』展

 

■協力

・ChatGPT

・Canva



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