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【作品解説】マン・レイ「破壊されるべきオブジェ」

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破壊されるべきオブジェ / Object to Be Destroyed

マン・レイの最も有名なレディ・メイド作品


マン・レイ「破壊されるべきオブジェ」(1923年)
マン・レイ「破壊されるべきオブジェ」(1923年)

概要


「破壊されるべきオブジェ」は、1923年にマン・レイによって制作されたオブジェ作品。1957年の展示中に、鑑賞者によって一度破壊されたことがある。数年後に複製され「不滅のオブジェ」という名称に変更されている。

 

一見すると、超現実オブジェと思われるが、1923年はまだシュルレアリスムが誕生していない。どちらかといえば、マルセル・デュシャンが発明した「レディ・メイド」を踏襲して制作されたレディ・メイド作品である。メトロノームには、ほとんど手を加えてはいない。

 

この作品は2つの要素で構成されている。1つはカリテ・エクセルシオール製のメトロノーム。もう1つは女性の目の白黒写真を切り抜いたものである。カリテ・エクセルシオール製のメトロノームは、当時、多くの一般家庭で見られた大量生産品だったという。

 

マン・レイが利用したメトロノームは、傷ついており、一部のパーツが欠落していたため、おそらく中古品を購入して制作したものだと思われる。箱は木製だが、内部は鉄製となっている。前面にあった扉は取り外されている。

 

破壊される前のオリジナル版は1923年に制作。マン・レイによると、元々はスタジオで絵を描いているマン・レイを見る「静かな監視人」という目的で制作されたという。その後、1932年にセカンド・バージョン「破壊されたオブジェ」を制作する。

 

セカンド・バージョンは目の写真がリー・ミラーの目に入れ替えられているリー・ミラーと関わりの深い作品でもあり、セカンド・バージョンが制作された1932年はマン・レイの愛人のリー・ミラーが、マン・レイと別れてニューヨークへ戻った年である。その後、アンドレ・ブルトンが編集する前衛雑誌『This Quarter』に作品が掲載。1933年に『目-メトロノーム』というタイトルで、ピエール画廊で初めて展示された。

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参考文献

Wikipedia

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