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【前衛運動】未来派「スピードを表現」

未来派 / Futurism

スピードを表現


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ボッチョーニ「反乱する都市」(1910年)
ボッチョーニ「反乱する都市」(1910年)

概要


未来派の起源


未来派は、20世紀初頭にイタリアで起こった美術と社会運動である。

 

1909年2月20日、イタリアの詩人トマソ・フィリッポ・が、パリの新聞『ル・フィガロ』に「未来派宣言」を発表。これまでの文化や政治を否定し、スピード感と機械に代表される現代のダイナミックな感覚をたたえ、芸術の新しい方向を示した。

 

また、1910年の2月には、ウンベルト・ボッチオーニ、カルロ・カルラ、ルッソロ、バルラ、セヴィリーニの5人の連名による「未来派画家宣言」を発表。

 

未来派の代表であるマリネッティは、芸術家に必要なのは勇気、大胆、反乱であり、なによりも新しい美とは「速度の美」であり、爆風を発し散弾が炸裂するように走る自動車を称えた。

未来派の特徴


未来派は、時間と空間を絵の中に表現するのが特徴である。

 

人物を連続撮影したエチエンヌ・マレーの写真を参考にして、ジャコモ・バルラは散歩する犬と人間の足の動きを画面に描いた。ウンベルト・ボッチオーニは、彫刻を空間に働きかける動的な表現として捉えた。

 

未来派は、ほかの同時代の前衛美術グループよりも政治と関わりが深い。現代の機械文明、都市文明を賛美し、破壊主義的、アナーキズム的、あるいは好戦的で、戦争や軍国主義の賛美、女性蔑視といった危険思想も注目された。

 

実際、マリネッティは、独裁者ムッソリーニに接近し、未来主義者の多くは第一次世界大戦の主戦論者となった。

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ジャコモ・バッラ「つながれた犬のダイナミズム」(1912年)
ジャコモ・バッラ「つながれた犬のダイナミズム」(1912年)

未来派の影響

また、未来派は絵画以外の芸術にも影響を与えた。ルイジ・ルッソロは騒音を芸術として取り入れた。様々な爆発音、衝突音、物が壊れる音、軋む音、引っ搔く音、あるいは動物の鳴き声による騒音音楽のコンサートを実践。現代の前衛音楽やノイズといわれる音楽ジャンルの先駆となった。

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ジャコモ・バッラ「街灯」(1909年)
ジャコモ・バッラ「街灯」(1909年)
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ジーノ・セヴァリーニ「装甲列車」(1915年)
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