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【作品解説】アンリ・マティス「生きる喜び」

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生きる喜び / The Joy of Life

「ダンス」の基盤になったマスターピース


アンリ・マティス『生きる喜び』(1905-1906年)
アンリ・マティス『生きる喜び』(1905-1906年)

概要


「アヴィニョンの娘」と並ぶ初期前衛芸術の代表作


『生の喜び』は、1905年から1906年にかけてアンリ・マティスによって制作された油彩作品。パブロ・ピカソの『アヴィニョンの娘』と並んで初期前衛芸術の柱なるマスターピースとみなされている。

 

1906年のサロン・デ・アンデパンダンで初めて展示され、その硫化カドミウムのイエローカラーで覆われた大胆な色の使いや空間の歪みの絵は、当初、鑑賞者から非難を浴びた。この作品は、1905年のサロン・ドートンヌで遭遇した自身への批判に対する反応だとされている。ピカソはこの絵を見てショックを受けるやいなや、この作品を目標にして『アヴィニョンの娘』の制作を開始したという。

 

関連のある作品


絵画の中央には手を繋いで輪をつくっている人たちがいるが、このモチーフは、のちに代表作となる1909年のマティスの作品『ダンス』の原点といえる。周囲には大胆で鮮やかな色彩と形態で裸の男女が描かれている。描かれている風景はギリシャのアルカディアだといわれている。

 

美術批評家によれば、『生きる喜び」は、アゴスティーノ・カラッチの『両思い、または黄金時代の愛』や、16世紀オランダ画家ポール・フラマンの『黄金時代の愛』を基盤にしていると指摘している。

アゴスティーノ・カラッチ『両思い、または黄金時代の愛』(1589 - 1595年)
アゴスティーノ・カラッチ『両思い、または黄金時代の愛』(1589 - 1595年)
ポール・フラマン『黄金時代の愛』(1585-1589年)
ポール・フラマン『黄金時代の愛』(1585-1589年)

カドミウム絵具による激しい劣化


本作品はガートルード・ステインと彼女の夫のレオ・ステインが購入し、彼女のサロンに飾られたりしていた。

 

その後、バーンズ財団が所有していたが、黄色絵具で使われている硫化カドミウムの劣化が激しく、作品の一部は茶色や白色に変色してしまっているという。損傷が激しく、また復元が困難なためバーンズ財団は長く隔離した状態にしているという。

 

■参考文献

Le bonheur de vivre - Wikipedia 

 


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