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【作品解説】グスタフ・クリムト「メーダ・プリマヴェージ」

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メーダ・プリマヴェージ / Portrait of Mada Primavesi

クリムト後期の傑作


概要


『メーダ・プリマヴェージの肖像』は1912年にグスタフ・クリムトによって制作された油彩作品。149.9cm✕110.5cm。メトロポリタン美術館所蔵。

 

モデルはクリムトやウィーン幻想派の大型パトロンだったオーストリアの実業家で銀行家のオットー・プリマヴェージの9歳の娘。

 

クリムトは本作を描く前に、彼女の異なるポーズや背景に関する膨大な数の予備スケッチを行っている。ほかの女性ポートレイトと比べて装飾模様が少なく、輪郭線を中心に質素に描かれているのが特徴。これは、金を多用し装飾性に力を入れていた「黄金時代」が終了し、フォーヴィズムの影響が強い時期に移行したためである。

 

また、女性的なものに関する新しいクリムトの視点、すなわち女性と花の装飾を混ぜあわせて一体にした表現方法が現れている。モデルの肢体各部がそれ自身が装飾となり、装飾が各肢体なのである。

 

ちなみにオットーの妻であり、メーダの母にあたるオージニアの肖像も描いており、これは豊田市美術館が所蔵している。

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