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【作品解説】サルバドール・ダリ「球体のガラテア」

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球体のガラテア / Galatea of the Spheres

互いに接触していない原子で構成された表現


サルバドール・ダリ「球体のガラテア」(1952年)
サルバドール・ダリ「球体のガラテア」(1952年)

概要


作者 サルバドール・ダリ
制作年 1952年
メディウム 油彩、キャンバス
サイズ 65.0 x 54.0 cm
コレクション ダリ劇場美術館

《球体のガラテア》は、1952年にサルバドール・ダリによって制作された油彩作品。複数の宙に浮いた球体でダリの妻であり、またミューズであるガラの姿を抽象的にまた具象的に描いている。65.0 x 54.0 cm。スペインのダリ劇場美術館が所蔵している。

 

各球体は亜原子粒子であり、絵画全体としては、ルネサンス美術と原子理論と物質の究極の不連続性を融合した表現であるという。

海に潜む女神ガラテア


タイトルの"ガラテア"とは、古代神話に登場する海に潜む女神ネーレーイスの1人であるガラテアを指している。ほかに、ギリシア神話に登場するキプロス王ピュグマリオーンが制作した彫刻ガラテアのことを指している。

アンヌ=ルイ・ジロデ=トリオゾン(en)『ピュグマリオンとガラテア』(1819年)
アンヌ=ルイ・ジロデ=トリオゾン(en)『ピュグマリオンとガラテア』(1819年)

原子理論と古典的技術でガラの姿を映し出す


第二次世界大戦で1945年に初めて原爆が広島に投下されて以来ダリは、原子理論に大変な関心を持ち始めた。ダリにとって原子理論とは思考欲をかき立てるものだという。本作以外にも、たとえば《ポルトリガトの聖母》《超立方体的人体》など、さまざまな原子理論からインスピレーションを得て制作した作品がある。

 

本作では、お互いに接触していない原子で構成された事象を認識することを、ダリは芸術上で再現しようと試みたという。

 

またこの作品は、ダリの原子物理学への関心とカトリックの信仰を調和させるための象徴的作品でもある。



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