葛飾北斎 / Hokusai Katsushika
風景の記録と同時に個人的な執着
概要
葛飾北斎(1760年10月31日-1849年5月10日)は日本の画家、浮世絵画家、江戸時代の版画家。雪舟をはじめ中国絵画の影響を受けたスタイルで、シュルレアリスティックに日本の風景や春画を描く。
最も代表的な作品は『富嶽三十六景』シリーズ(1831年)で、中でも1820年代に制作された『神奈川沖浪裏』は世界中で知られている版画作品である。
北斎は『三十六景』について、当時の江戸時代の国内旅行ブームを風景画として記録化する意図と、富士山に対する個人的な執着や強迫観念の両方が制作動機となっているという。このシリーズの中でも、特に『凱風快晴』は国内外の両方で北斎の知名度を高めた作品とされている。
次に有名なのが『北斎漫画』で、これは日常生活におけるさまざまな主題をスケッチしたもので、風景、花、動物、日常生活、人の仕草などのスケッチ絵である。
タイトルに含まれている「漫画」という言葉は、現代の物語形式の「マンガ」とは異なり、三色の木版画である。1814年、北斎が55歳のとき初編が発行され、その後1878年までに全十五編が発行された。
1830年代にヨーロッパに磁器、陶器の輸出の際、緩衝材として浮世絵と共に偶然に渡り、フランスの印象派の画家クロード・モネ、ゴッホ、ゴーギャンなどに影響を与えた。