マーク・ライデン個展「Gay '90s West」
アメリカの転換期を象徴する「Gay ’90s」
アメリカの画家で、”ポップ・シュルレアリスムの父”として知られるマーク・ライデンの個展が、2014年5月3日から、カリフォルニア州ハリウッドにあるコーンギャラリーで開催される。個展タイトルは「Gay ’90s West」。ライデンの「Gay 90s series」の続きとなる。
Gay 90's(ガイ・ナインティーズ)とは、アメリカにおいては1890年代を言及したアメリカのノスタルジックな時期で知られる。1890年は、アメリカが西部開拓を完了して「フロンティアの消滅」を宣言、さらなるフロンティアを海外へ求めた。
また、新移民が旧移民を数で上回り、アメリカ移民史上最大のピークを迎え、経済的にはリセッションに入る。退廃的で耽美的な芸術が流行し、イラストレーターではオーブリー・ビアズリー、劇作家ではオスカー・ワイルドが活躍し。政治的には女性参政権運動が始まった。
ライデンは2010年に、ニューヨークのPaul Kasmin Galleryで「The Gay 90’s: Old Tyme Art Show」を開催。そのときの個展の中心的なテーマは理想主義とセンチメンタリズムの両義性のあった1890年代のアメリカと、現代文化におけるキッチュとノスタルジアの両義性を対応させることだった。そこでライデンはキッチュへの魅力と嫌悪感の境界線を探究した。そのため歴史的な意味での「Gay 90's」とは異なる。
アメリカの転換期を象徴する「Gay ’90s」に「West」というワードを追加したマーク・ライデン。ライデンが90年代をどのようにアレンジするか楽しみだ。
オープニングレセプションは、春にハリウッドに開廊予定のKOHN GALLERY HOLLYWOODに合わせて、5月3日の午後1時から午後6時に開催。